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zoom RSS 中勘助「銀の匙」の植物と動物

<<   作成日時 : 2012/02/06 09:53   >>

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画像 中勘助という名前も「銀の匙」という書名も、随分前から印象に残っていた。その中勘助が、数年前に読んだ「野上弥生子日記抄」に彼女の初恋の人として登場していた。そしてちょっと前に、書店に『銀の匙』が平積みになっていて、灘中の国語の授業で話題の本と注釈がついていた。それで、とうとう読むことにした。
 「銀の匙(さじ)」とは病弱だった幼い主人公が、薬を飲むときに使っていた匙だ。そういえば、私の幼いころも、まだスプーンなどと言わずに匙と言っていた。
 この本は中勘助が27歳の時に幼い時を回想して書いた本だ。明治の半ば、生まれた神田の暮らし、それから転居した小石川での暮らしを描いている。彼の面倒を見ていたのは母ではなくて、没落士族で夫を亡くしていた叔母さんだった。この叔母さんは、病弱で性格の弱かった主人公を限りなく甘やかし、5歳になるまでおぶって歩いている。確かに昔はそんな風な甘やかし育ちがあった。だから主人公は、いじいじとしていて、しょっちゅうめそめそしていて、ひ弱だ。でも美しいもの、優しいもの、そして悲しいことに敏感で、それが美しく書かれている。私はそんな世界がとても好きだし、懐かしく感じる。
 この本を読んでいて気づくのは、植物と動物がたくさん出てくることだ。昔は、生活の中に植物や動物が身近に存在していて、そして今ほど情報量が多くないので人々の感性もそこから養われていたのだと思う。だから植物や動物から来た言葉が多くて、それが人々の実感としてまだ生きていたのだろう。

この本に出てきた、植物・動物をあげてみる。空想の動植物や、動植物起源の動植物もある。(前編より)
植物
牡丹の花、椿の実、松かさ、蓮(はちす)、蜜柑(みかん)、唐もろこし、栗、椎の実、桜、躑躅(つつじ)、鬱金(うこん)、杉垣、茶畑、ぺんぺん草、蚊帳つり草、栗、檜、木犀(もくせい)、青竹、木槿(むくげ)、肉桂(にっけい)、桃、松、待宵、榎、欅、竹の子、はちく、菊、、槙の木、、珊瑚樹(さんごじゅ)、苔、茄子、瓜、南瓜(かぼちゃ)、糸瓜(へちま)、黄瓜(きうり)、なた豆、ふじ豆、葱の花、瓢箪(ひょうたん)、胡桃、鳳仙花(ほうせんか)、おしろいの実、杏の花、緋桃の花、巴旦杏(はたんきょう)の花、鬼百合、白百合、沙羅双樹、ひばの葉、銀杏(いちょう)、皀角子(さいかち)、いたいいたい草、桜の花、赤のまんま、かたばみ草、ほーれ草(ヤエムグラ)、蚕豆(そらまめ)、山茶花、合歓の木、海ほおずき、美男蔓(びなんかずら)、藍色、甘根(あまね)、榧の木、槙の木、桐の花、どうだん、百日紅(さるすべり)、瓜、石竹の花、遊蝶花(ゆうちょうか、パンジー)、李(すもも)の木、金盞花(きんせんか)、梅、布袋竹(ほていちく)、笹藪、蓮華の花


動物
子安貝、白鼠、狐、酢貝、章魚坊主(たこぼうず)、蠑螺(さざえ)、鶏、山犬、河童、駝鳥(だちょう)、蝶蝶、蛾、牛、馬、獅子、狛犬、蝉、孔雀(くじゃく)、蛤、蜂、すずめご、鯛、兎、海老色、菊いただき、鹿、千鳥、鬼、蚊、蛍、烏、雀、虻(あぶ)、象、蜘蛛、大蛇、こま鼠、南京鼠、人魚、鸚鵡(おうむ)、松虫、鈴虫、きりぎりす、がちゃがちゃ(クツワムシか)、羊、熊、猪、ががんぼ、鵞鳥(がちょう)、山ががし、鯉、雌豹(めひょう)、驢馬(ろば)、蟹、油虫、よこばい、鳩虫、鶯、鳳凰、鶴、犬じらみ,雨蛙、お猿、鴛鴦鳥(おしどり)、ごろすけ(フクロウ)


 まだ植物の外来種は少なかったのだろうか。万葉植物園が各地にあるけれど、本の中の動植物を拾ってみるのは、なかなか面白い作業だ。今度は漱石とか鴎外の本も調べてみよう。村上春樹の本にはあまり植物が出て来ない気がしたけれど、それも調べてみよう。

ちなみに今はあまり使われなくなった、人間のタイプをあらわす言葉もいろいろ出てくる。
餓鬼大将、いじめっ子、意気地なし、気ちがい、焼きもちやき、乞食

それから子供の遊びが出てくる。これらは昭和の半ばの私の子供のころにはまだあった。
毬(まり)、かくれんぼ、鬼ごっこ、めかくし、石けり、お手玉、独楽(こま)、羽子板、睨めっこ、写し絵、縄とび、じゃん拳、綾とり

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
匙とかお匙とかなつかしい響きのことばですね。先日息子がポッケといったのはおかしかったですが。
 こんなに植物もでてくるのでしたか。灘高のその90歳をすぎた先生は1年だか3年だかかけてこの一冊をやるということでした。装丁も素敵です。
momo
2012/02/06 13:05
この本に出てくる懐かしいものの多くを私も思い出すことができます。でも私にも、昔のことで分からなくなっている部分もかなりあります。だから若い人が、この本を読んでどんな風に感じるのか聞いてみたいです。でもこの本で共感するのは、中勘助の観察眼と感性です。
hanabati
2012/02/07 21:10

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