「山中常盤物語絵巻」 岩佐又兵衛

 岩佐又兵衛作といわれる舟木本の「洛中洛外図屏風」のことは、芳賀徹氏がNHKの講座「都のみやび」で扱っていて、短焦点双眼鏡を持ってじっくり眺めることをすすめていた。それで私も東京国立博物館の特別展示で双眼鏡を持ってじっくり観察してきた。すっかり取り込まれた。山口晃氏は2700人も「下ぶくれ」の人物が登場するこの屏風を見て非常にシビれ、絵の前で叫びたくなったという。氏によれば「過剰なまでに描きこまれた一連の絵巻物の建築を、では人物を隠してみると、何やら生真面目にすら見えてきます。そこに、あの奇矯な人物たちの跳躍や捻転が加わる事で、生真面目な描写がギラギラとゆらめいて見えてくる」となる。
 岩佐又兵衛の父は、戦国時代に黒田官兵衛を幽閉した有岡城主の荒木村重で、一族は信長によって捕らえられ皆殺しにされた。しかし当時二歳だった又兵衛だけが乳母の手で城から救出された。今回は「山中常盤物語絵巻」の真にせまった場面を見て、又兵衛の出自に思いが行った。

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 常盤御前は奥州の牛若丸を追って行き、途中の山中で盗賊にあい、命をを落とす。

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 牛若丸は山賊を成敗する。凄惨な場面だ。
 山口氏は岩佐又兵衛に最高の賛辞を述べている。「又兵衛の絵に定通するものとは、その人間のドラマに於ける真景に到達しようとする意志ではないでしょうか。誇張された表現にみなぎる身体性と、そこに表れる心象に見るものは酔い、その狂騒の後に来る「凪ぎ」に何やらゾッとする深淵を見たのです」

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